こんにちは。中学生時代はポルノグラフィティ大好きっ子だった阿部です。
(このタイトルでニヤついた人は多分同世代)
今回は、マンドリンのEQ設定についてちゃんと考えて見ましょう回です。
お品書き
承前
俺は生音で生きてきた、っていう野良マンドリン弾きが急にピックアップの必要性を
迫られてあたふたし、とりあえず買ったピックアップとパラアコ(※)を使ってみたけど
「なんじゃこりゃ」って音になる事件は後を立たない...(僕です。)
変なツマミがいっぱいあって、意味わからん。とりあえず回してみて「いい感じ」になったから
いいや。。。みたいな。これ良くないですよね。。。
個人的に考えさせられるいい機会があったので、
ちょっと本気出して考えてみました。その時の検証メモを残して見ようかと思います。
※ Para Acoustic DIの略称。アコースティック楽器ではド定番の機種。
使用機材
- Behringer B-1 (コンデンサーマイク)
- L.R.Baggs Radius (ピエゾ・ピックアップ)
- L.R.Baggs PARA ACOUSTIC D.I. (DI)
マンドリンの音域と周波数帯域毎の特徴について
まずはお勉強タイム。ということで、マンドリンを実際弾いているときに
実際どんな音が出ているか見てみましょう。
画像はソロを弾いてる最中のある瞬間の波形を切り取ったものです。
※横軸が周波数(=雑な説明をすると、音の高さだと思っていただければここではOK)、縦軸が音の大きさです。
こんなふうに実は1音だけ鳴らしたつもりでも、いろんな高さの音が同時に鳴っているということがわかります。
(この辺の話も歴史を遡ると古代ギリシャまで旅行できたりで面白いんですがここでは割愛。)
次に、各音域の音が実際どういう音なのかまとめていきます
超低音域〜低音域
この辺はマンドリンではボディ鳴りです。
マイクだとあんまり拾いませんが、ピエゾ・ピックアップだと結構気になる部分です
少し抑えたり、思い切ってバッサリカットしちゃうこともあります。
コン、コンというような柔らかい木を軽く叩いたような音がします。
実音(マンドリンの音域)
マンドリンそのものの音域。つまり実音です。
ちなみに実音を弾いたときに同時に鳴るいくつかの高い音は倍音といいます。
ここを上げると単純に音が大きくなった印象を受けます。
ここもピックアップだと特定の音が異様に大きくなったりすることがあり、
削るべきところは削ったほうがいいこともあります。
正直あんまりいじりたくはないところ。
中音域〜中高音域
倍音成分で一番目立つところ。この辺を持ち上げると音色のコシがでます。
でもやりすぎるとわざとらしさが出てしまうのでやりすぎ注意な部分です。
もうちょっと音に重みや説得力がほしいなってときに少し上げるくらいがいいことが多いです。
高音域
マンドリンのシャランとしたキラキラ成分がここにはあります。
ちょっと持ち上げると華やかな音になります。
やりすぎるとキンキンした音になるので注意。
超高音域
ギターとかだと「エアー感」とか、耳には聞こえない音。とか言われたりしますが、
マンドリンだとちょっと話が違うかも。。。と個人的には思ってます。
弦の擦れる音というか、なんかジャリっとした音がここにはあります。
ピッキングのノイズとかもある気がする。。。
あんまり触れないようにしてますが気になる場合は少し削るといいかも
コンデンサーマイクの場合
実際に録ったものに対してEQをかけてみたのでどうぞお聞きください
EQが全くかかってないもの
比較用です。全くEQをかけてないもの。
EQをかけたもの
下の画像のようにEQをかけてます
微妙な違いですが、音がクリアになった気がします。
おまけ
AIが勝手に音作ってくれるNeutronを挿してみたもの(Track Assistantに投げただけのやつです)
EQ以外にも、コンプレッサーとエキサイターがちょっとづつかかってます。
こんな感じでEQかかってました(見方は同じ)
なんか微妙?ちょっとモコモコした音になりましたね。
マイク取り&マンドリン単体だとあんまり違いがでないですが、大音量になると結構違うかも。
次はDIを使ったパターンです。と言いたいところですが、長くなったので一旦ここまで。
続きは別記事で書こうと思います。
あとがき
ここに書いたことは個人の、ある特定の環境における検証の結果であるためここに「答え」はありません。
ライブであれば、ハコの大きさ、マイクの特性、スピーカーの特性、他の楽器の帯域や大きさ
などなど、影響される要因が様々です。
とはいえ、「そういうときは諦める!PAさん任せた!」というのもどうかと思うので
ちゃんと理詰めで対処できるようになりたいなーというお話でした。
ではまたー。